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《 Product Story 》彫り師・針恋いさんインタビュー

  • kizuna okinawa
  • Jun 24
  • 3 min read

古きものの価値を認め、誇れる部分を見出し、現代に合わせて創り変える「文創」。

シリーズ第三弾となる今回は、沖縄の伝統的な入れ墨「ハジチ(針突)」が主役です。

そんなハジチですが、「憧れから恥へー」と言われているその歴史をご存知ですか?


琉球王国時代に女性の間で流行し、幼い頃から少しずつ入れて、両手にハジチを完成させていたそうです。そのひとつひとつの模様には、家族を守る強い気持ちやニライカナイを願う、女性のさまざまな「想い」が込められています。


明治時代になると「入墨禁止令」が発令。沖縄県では何度か見送られていたものの「ハジチは野蛮なもの」だという社会の動きが、ハジチが恥であるという価値観を形成しました。その後の彼女たちは、自分の手を隠すように生きたと言われています。


現在では様々な方の活躍があって活気を取り戻しつつあるハジチ。今回のHAJICHI TEEは、ご自身もハジチを両手に彫り、実際に施術を行ったこともある、彫り師針恋いさん(@harikoi-tatto-okinawa)のタトゥーデザインをTシャツに取り入れています。




針恋いさんの彫り師として生きる覚悟や想い


沖縄市にあるスタジオでひとり、彫り師として多くの女性のタトゥーを掘る針恋いさん。

スタジオは彼女のセンスや暖かさで溢れており、とても心地が良い。



彫り師になる前は看護師を目指していたという針恋いさん。看護学生時代、たくさんの患者一人一人に向き合って対応がしたいと思う反面、時間も体力も限られている中で、その実現は難しいのではと考えるように。看護師ではない就きたい職業を探す中で、自分がかっこいいと感じた職業「彫り師」を目指すことを決意します。


子育てをしながら彫り師になる道は、かなり険しかったと当時を振り返ります。弟子入りをお願いするたびに「子育てしながら彫り師にはなれない」という言葉で、突き放される。心無い言葉をかけられるたびに、自分の生き方を否定され、自分らしく生きることができないことに悔しさを感じる。その悔しさを糧に、修行を重ね、独立することができたと語ります。



針恋いさんの両手にあるハジチ
針恋いさんの両手にあるハジチ

そんな針恋いさんの両手には、ハジチが入っています。


ハジチとの出会いは、博物館で開催されていたハジチの特別展示会。その展示会のキャッチコピー「憧れが恥にー」という言葉に衝撃を受けたと振り返ります。美しいものが社会の価値観でひっくり返る、人間の変わりように違和感を感じた。「みんなの意見に流されたくない。だけど気付かぬうちに同調圧力の中にいることもある、だから自分自身を疑う。自分を見失わないために。」そんな覚悟が、彼女のハジチに込められた想いです。



ひとの覚悟や想いが詰まった文化


ご自身のスタジオを持って早2年。針恋いさんのもとには、たくさんのひとが想いや覚悟を体に刻みに訪れます。針恋いさんは一人一人の想いや覚悟を丁寧に傾聴し、相手に寄り添ったデザインを届ける。その姿は、彼女が実現したかった「一人一人に向き合いたい」という生き方を体現しているように感じました。



針恋いさんが、多くの方の想いや覚悟を汲み取り、それを刻んでいく。これはハジチにも共通している。きっと文化とは、当時を生きるひとの想いや願い、覚悟が込められた「もの」なのだろう。一つ一つに意味があり、だから丁寧に真摯に向き合うことが大切なのだと思う。


針恋いさんがデザインしたHAJICHI TEE
針恋いさんがデザインしたHAJICHI TEE

ハジチという文化に込められた、たくさんの女性たちの想いに敬意を。

そして、その想いが多くの方に届くように。



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